高校時代の恋愛の記憶について

これは高校のときの恋愛の思い出です。僕は地元が好きじゃなかったので、通学に一時間もかかる高校を選んで進学しました。自分と同じ地元が少なかったこともあり、地元色は薄かったのですが、同じ市内ということもあり、妄想していたほどの新鮮な出会いはありませんでした。
 そんな多少退屈な時に、彼女は父親の仕事の関係で、転校してきたのです。見た目はちょっとぼんやりした感じで、少し鼻にかかった声で話す方言がとても印象的でした。笑顔が似合う子で、すぐに周囲にもとけと込んでいきました。話す内容は同じはずなのに少し切り口が違っていたりして、僕は一発で好きになりました。こういう出会いを望んでいたのだと、確信したほどです。
 彼女は特定の誰かとだけ仲良くすることもなく、また、男女関係なく話をする子だったので、僕も自然に話をすることができました。○○大学への進学が高校での最初からの目的らしく、勉強に専念するため、部活は断念しているという話を聞きました。また、塾通いする余裕はないとのことで、休みの日も図書館で勉強していました。僕は彼女と一緒にいたかったので、一緒に図書館へ出かけたりもしました。そのおかげか、後にも先にも1回限りの100点をとることができました。彼女は勉強仲間として、僕のことを見てくれていたので、一緒にいられるわけですが、大学には試験という壁が立ちはだかります。彼女がめざす大学は僕の実力では明らかに無理なレベルでした。かといって、告白して今の関係が壊れるのはどうしても避けたかったのです。
 高三のとき、彼女は順当に進学クラスヘ進みました。そうなると、勉強仲間はそのクラス内にできてしまい、次第に会話する機会がグッと減ったのです。きっと、話はできたのでしょうが、大学という違う未来が待っていることに耐えられず、逃げたのただと思います。
 こうして、恋物語は自然消滅となりました。その後も彼女のような違う空気の人と出会いたいと願いながらも、地元に僕はいるのでした。

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